北欧旅行2010

2010年07月16日

1日目〜出発

6時前に起きて寮で朝飯を食って出発。荷物があることとちょうどラッシュ時間帯であることを考慮して、山電で三ノ宮まで出て、三ノ宮からバスで関空。関空に付くとフィンエアーのカウンターにものすごい行列ができていてうんざりしたが、よく見てみるとInternet checkinした人は専用のカウンターがあり、そこには誰も並んでいなかった。

というわけで無駄に行列に並ぶこともなくチェックインを済ませ、荷物検査と出国審査を終えて、いつも通りラウンジでマッタリ。

時間が来てヘルシンキ行きに搭乗。運良く隣の席は空席だったので、比較的ゆったりできた。やっている映画がイマイチだったので、睡眠補充したり、手持ちの本を読んだりして時間をつぶす。

関空から約10時間でヘルシンキ・ヴァンター空港に到着。コペンハーゲン行きへの乗り継ぎ時間が2時間以上あるので、いったん入国して空港の外に出る。地球の歩き方によると、7月の平均最高気温は20℃らしいが、30℃くらいありそうな暑さだ。天気はいいが、暑い中歩き回る気力がないので、すぐに空港に戻る。

ヘルシンキからもフィンエアーでコペンハーゲンまでひとっ飛び。搭乗時間が短いので窓側席を取ってスカンジナビア半島を眺めた。

コペンハーゲン到着後、荷物を受け取ると空港内にあるDSB(デンマーク国鉄)の乗り場まで移動。コペンハーゲン中央駅までのチケットを買おうとするも、自動券売機はどうもコインかクレジットカードでないと受け付けてくれないみたいなので、窓口で購入(両替したばかりで紙幣しか持っていなかった)。

DSBホームに降りて、次に来たDSBの列車に乗車。外から聞いていたらインバータの音(たぶんIGBT)がうるさかったが、乗ってるとほとんど音は聞こえなかった(間違えてT車に乗った?)。空港からは15分くらいでコペンハーゲン中央駅に到着した。

そのままホテルに移動。ホテルの部屋に入ったときにはもう20時過ぎになっていたが、こんなこともあろうかと夕食付きのホテルを予約しておいたので、ホテルで軽く夕食を済ませる。夕食後、近くのセブンイレブンで飲み物だけ買ってきた。明日に備えて今日は早めに寝よう。

それにしても、もう21時半になるのに、昼間のごとく外が明るい。寝れなかったらどうしよう・・・。

2010年07月17日

2日目(1)〜DSB試乗

ホテルの朝食をたらふく食べてから出かける。Eurail passは今日から有効なので、まずは市内を観光して、余った時間でDSB(デンマーク国鉄)にでも乗ってこようと思っていたが、よく調べてみると観光は午後からの方が都合が良さそうなので、まずは列車に乗ってきた。

コペンハーゲン中央駅昨日は撮る余裕がなかったので、改めてコペンハーゲン中央駅。ホームの上に立った橋上駅舎の形だが、実はホームが地下1階の高さにあるようだ。



IC3というわけで、まずはDSBの看板列車であるIC3で運行されるInterCityLynに乗車。写真は今日の午後撮った別の列車(こちらの方がきれいに撮れていたので)。Eurail passは1等車用なので、当然1等車(DSB 1')に乗車。IC3は3両編成(連接車)の気動車で、そのうち先頭車の半室がDSB 1'に当たる。DSB 1'は横3列のボックス席になる。幸い向かいの席には誰も来なかったので、ゆったりと足を投げ出しても問題なかった。

DSB 1'の客は、コーヒー、紅茶、水が飲み放題なのは事前調査で分かっていたが、朝出発の便は朝食もサービスされるらしい。そんなことは露知らず、朝飯をこれでもかというくらい食ってきたのでそんなものを食べる余裕はない。仕方ないので「もう朝飯食っちゃった」と泣く泣く断って、お菓子だけもらった。

列車は気動車ながら最高速度180km/hということで、かなり軽快に飛ばしている。気動車が高速でぶっ飛ばすというのは、なかなかそそるものがある。

コペンハーゲンのあるシュラン島からグレートベルトリンク(シュラン島とフュン島を結ぶ橋とトンネル)を通ってオーデンセまで乗車。グレートベルトリンクを鉄道で渡ると、アクアラインのように途中までトンネルで途中から橋になる。

オーデンセからすぐに折り返しのInterCityでコペンハーゲンに戻る。

IR4帰りの列車は、IC3の電車版であるIR4。こちらはIC3と同じ連接台車を履いた4両編成。DSB 1'はやはり半室のみだが、IC3より狭く、座席数は少ないようだ。IR4の後ろには、オーデンセからIC3を併結していたが、違う車両に乗りたいのでIR4の方に乗車。しかしDSB 1'のある先頭車はT台車なのか、インバータの音は全く聞こえなかったorzorzorz


IR4車内車内の様子はこちら。IC3と同じ。座席を回す必要がないせいか、シートピッチは狭いが、ボックス席で向かいに誰もいなければ問題ないレベルだ。机が邪魔で足が組めないのが難点だが。


行きのICLynは速達タイプで途中1駅しか停まらなかったが、帰りのICはよく停まる。それでも駅間は長いので行きと同じく軽快に飛ばし、コペンハーゲンまで1時間半ほどで到着した。


(おまけ)
ICE-TDコペンハーゲン中央駅でこんなのに会えた。そういえばコペンハーゲンまで乗り入れているんだった。

2日目(2)〜コペンハーゲン観光

コペンハーゲンに戻ってきたのは昼過ぎなので、まずは腹ごしらえをすることとし、屋台でホットドッグを購入。まあまあだった。

コペンハーゲン市内はそれほど見るものもないが、とりあえず思いつくままにぶらっと回ってきた。

旧証券取引所まずは旧証券取引所。建物のみで、中には入れなかった。まあそんなところだろうとは思っていたが。




デンマーク国立銀行続いてはデンマークの中央銀行であるデンマーク国立銀行。残念ながら土曜なので門が厳重に閉ざされ、中をうかがうことすらできない。まあ平日だったとしても、ホームページを見ても見学等については何も書かれていなかったので、中を見ることはできなかった可能性が高いのだが。

王立武器博物館お次は王立武器博物館。中は武器の見本市のように、大砲やらロケット弾がズラッと並んでいた。数はかなりのものだった。長い砲身を縦に割ったものが置いてあったのはおもしろかった。弾が自動装填になっているものや大砲自身がヨー方向に回転するものを見ると、どういう機構になっているのか気になって仕方なかった。

クリスチャンスボー城次はクリスチャンスボー城。城内は土足厳禁で、靴カバーを履かされた。国内以外で城を見るのは初めてだが、チケットを買ったら日本語のガイドを書いたボードを貸してくれたのでよく分かった。しかしガイドには城内地図がないので、どの案内がどの部屋に対応しているかを確認するのが大変だった。あと、ガイドを帰したときに、受付の兄ちゃんが「これ日本語だっけ?」とか聞いてきた。分からなくなるんだったら、「Japanese」とか書いとけよwwwww

最後に国立博物館を見てきたが、デンマーククローネの紙幣の金型(昔の?)を置いてあった以外は特におもしろいものもなかった。写真もなし。

チボリ公園あと中には入っていないが(入る気もないが)、何度も前を通ったので1枚撮ってきた。倉敷じゃありません。




夕方時間が余ったので、駅に行って電車の写真を撮ってきた。電車のみならず、駅員の前で台車とかの写真まで撮っていても何も言われないとはいい国だ。せっかくなのでIR4の動画も撮ってきたが、横にいたIC3のエンジンがうるさかったのと、4両と短いためインバータの音が余りよく撮れていなかった。


夕方ホテルに戻って夕食を摂る。明日はデンマークを離れ、スウェーデンへと北上する。非英語圏に来たのはかなり久しぶりだが、イタリアとか中国とは違って英語だけで何の不自由もなかった。しかしデンマーク人は、きれいなというか丁寧な英語をしゃべってくれるので、非常にわかりやすい。英語圏の国ばかり行っていると、崩れた英語ばかり聞き慣れてくるから、かえって新鮮だった。英語の勉強するなら、英語圏に行くよりむしろこういう国に来た方がいいじゃないかという気がした今日この頃・・・。

さて、明日ストックホルムで観光する場所だけ目星をつけて、明日に備えてとっとと休まないと。22時半くらいには外も暗くなるみたいだから、暗くなったら寝るか。

2010年07月18日

3日目(1)〜X2000

ホテルで朝食を摂ってから、出発の準備に取りかかる。朝食後に少し外に出てみると、暑かった昨日までとは打って変わって少し肌寒い。ようやく北欧らしくなってきたのかな。服装に困るが、Tシャツの上に半袖のシャツを羽織って、万が一に備えてリュックに長袖を1着入れていくことにする。

9時半くらいにホテルをチェックアウトし、駅に向かう。駅の液晶案内板で発車番線を確認してホームに降りると、すでにスウェーデン国鉄(SJ)の誇るX2000は入線していた。ドアは開いておらずまだ乗り込めないようなので写真を撮りまくる。

X2000(Tc)X2000は動力集中型で片方の先頭車にのみ機関車を連結している。こちらは最後尾に当たる側で、ただの客車。




X2000先頭機関車反対側(先頭側)が機関車になる。2台車(動軸は4軸?)の機関車。パンタグラフは2基設けているが、上がっているのは1基のみ。



X2000台車台車。X2000は最高速度200km/hで車体傾斜機構を備えており、カーブも高速で通過する。




X2000車内写真を撮りまくっていたらドアが開いたので、車掌にチケットを見せてから乗車する。1等車は2+1列の3列シートだが、座席の向きは欧州標準の固定式。しかも座席はリクライニングしないようだ。まあ昼間乗る分にはそれほど問題ないが。しかし割り当てられた席は、残念ながら後ろ向きの席orzorzorzorzorz凹みながら発車を待つ。

10時19分、定刻通りコペンハーゲン中央駅を発車すると、コペンハーゲン・カストラップ空港に停車してからオーレスン海峡(こちらも昨日と同様途中までトンネルで途中から道路併用橋)を渡ってスウェーデンへと入る。橋の上もかなりの速度で走るが、揺れはほとんどなく快適だった。明石海峡大橋を新幹線が走っていたらこんな感じだったのだろうか。橋の真ん中あたりにはデンマークの国旗とスウェーデンの国旗が並んでいた。あそこが国境だったのだろう。

スウェーデン国内に入ってしばらく走ったところでマルメに到着。ここでは20分ほど停車するのでホームに降りてぶらぶらする。隣のホームからDSBのIC3の派生型の一つであるOeresundtrainが発車する。動画撮影したらインバータ音がきれいに撮れた。たぶんABB製だと思うが、最近日本国内でもよく聞くタイプとほとんど同じだ。インバータの効率を追求すると結局こういう音になるのだろうか・・・。



マルメ駅それはさておき、マルメ駅は片方が行き止まりになっていた。これはもしやと思ったらやはりマルメから進行方向が逆になり、俺の席が前向きになった。しかも窓の位置と座席の位置がベストな席なので、景色がよく見える。SJGJ。

スウェーデン国内に入るとかなり高速で飛ばす。200km/hくらいだと思うが、地べたで木や民家のすぐそばを走っているのと、窓が新幹線より大きいせいかかなり速く感じる。スウェーデンに入ってからカーブが多いので、傾いているのもよく分かる。感覚的には5,6度くらいは傾いていると思う(ネットで調べたがわからなかった)。デンマークはドイツに合わせたのか右側通行だったが、スウェーデンはほかの欧州と同じで左側通行のようだ。快適な走り心地に身をゆだね、スカンジナビアの大自然の中を走り抜ける車窓を眺めながら、一路ストックホルムを目指す。

しかしここで事件発生。このX2000はなぜか2号車から始まっている。1号車は機関車ということだろうかと思ったが、どうも違ったようだ。マルメで外をうろうろしてから帰ってきたら、存在しないはずの1号車のチケットを持った客が俺の席に座っていたので、いやな予感がしていたが、次の駅で1号車のチケットを持った客が大量に乗車。車内が混乱気味になる中で車掌が現れて一言放つ。「今日この列車に1号車は存在しない」。言い切った。見事に言い切った。存在しない車両のチケットを売っているってどういうことだwwwwww

これは暴動が起きるかと思ったが、スウェーデン人?は思いの外冷静なようだ。車掌に暴言を吐くでもなく、「我々はどこに座ればいいんだ?」と現実の対応を求める。昨日ネットで見たら、この列車はコペンハーゲン⇒ストックホルムの全区間では満席だったので、席に余裕はないはずだ。しかし車掌は区間区間で空いている席に上手く割り振っていき(一部の客は2等車が割り振られた)、なんとか混乱を収めた。横で見ていてもなかなか手際のいい対応だった。「お前どけ」とか言われたらどうしようかとビクビクしていたが、そんなこともなくストックホルムまで乗り通すことができた。

途中いろいろあったが、終着駅ストックホルムには定刻より約3分早い15時36分ごろに到着した。

3日目(2)〜ストックホルム観光

駅を出てまっすぐホテルに入り、荷物を部屋に置いてすぐに出かける。あまりゆっくりしている時間もないので、1駅だが地下鉄を利用。しかし初乗り600円な罠orzorzorz

ノーベル博物館T-Centralenから南に一駅行ったGalma Stanで下車。とりあえず一度行ってみたかったノーベル博物館まで移動。中に入ると各国の言葉で書かれたパンフレットが置かれている。しかし一通り眺めると中国語と韓国語はあるのに日本語が見あたらない。そんな馬鹿なと思ってよく見たら、日本語の上にイタリア語が置かれていた。さすがイタリア人、マナー悪いな。



一通り中を見たが、それほどたいしたものではなかった。仕方ないので、ノーベル賞授賞式の晩餐会でデザートに出されるのと同じだというアイスクリームを食べた。生クリームとハスカップっぽいアイスとバニラアイス、それにイチゴとノーベル賞のメダルチョコがついて65クローナ(800円くらい?)。

あとは適当にぶらぶらとそのあたりを見て回った。

王宮とりあえず王宮。17時を過ぎていたので中には入れず周りをうろうろしただけ。17時を過ぎても衛兵は直立不動だった。




郵便博物館たまたま通りかかった郵便博物館。ちょっと中を見てみたい気もしたが、16時までだったので仕方ない。




国会議事堂国会議事堂。どこの国でもそうだが、立派な建物だ。





リクスバンク最後にスウェーデンの中央銀行であるスウェーデン国立銀行(通称リクスバンク)。入り口らしきものはあったが、関係者以外は到底入れなさそうな雰囲気だった。



ストックホルム中央駅ついでといっては何だが、ストックホルム中央駅。コペンハーゲンと比べても結構大きな駅だった。ただ開放的で明るかったコペンハーゲンと比べて、欧州らしいというか、薄暗い駅だった。


さて、北欧に来てすでに3日。今日は昨日までと違って気温は高くないが、日差しが強く、直射日光を浴びるとTシャツ1枚でも暑い。というか目が疲れる。サングラスがほしいくらい。

明日はオスロだ。


2010年07月19日

4日目(1)〜InterCity

6時半起床で、ホテルで朝食を摂る。朝食の場に同じ格好をして赤いネクタイをした怪しい集団がいて、どこのサラリーマンかと思っていたら、SJ(スウェーデン国鉄)の職員だった。ホテルを宿にしているのか。

8時にチェックアウトして駅に向かう。ホームに降りると、すでにInterCityらしき列車が停まっていたが、よく見ると寝台車が連結されているので今日乗る列車とは違うっぽい。一応近くにいた駅員に聞いてみると、この列車が回送された後でInterCityが入線するとのこと。しばらく待つと列車が回送され、今日乗るInterCityが入線した。

SJ電気機関車SJでは去年の夏くらいから古い客車をリニューアルする工事を続けていたが、リニューアル前は青い車体だったのに対し、リニューアル後は黒い車体になるのが特徴。これを見るにつけ、リニューアルの対象には機関車も含まれていたようだ。しかし音的に整流子モータのようで、中身は換装されていないようだ。どうせならインバータ駆動の交流モータにすればいいのに。

1等車リニューアルの関係で、SJの列車はリニューアル前と後の車両が混在しているが、俺が乗る車両は幸いリニューアル後を示す黒い車両だった。



SJInterCity車内乗った車両は半室1等車で、X2000と同じ1+2列の非回転式非リクライニングシート。シートピッチは新幹線の普通車よりも狭いくらいか。幸い指定された席は今日も前向きで、ちょうど窓と一致する場所だった。昨日といい日頃の行いの賜か。

列車はストックホルム中央駅を定刻で発車し、Katrineholmまでは昨日X2000で通った道を下る。Katrineholmからは西に向かい、一路オスロを目指す。この列車は旧式客車だが、最高速度は160km/h。さすがにX2000と比べると、バネも堅いし乗り心地は悪いが、日本の客車ほどではない。

1等車は機関車の次に連結されていたが、列車の一番後ろまで行くと後方展望が見られた。たぶん160km/h近く出していると思う。↓はKatrineholm到着前。


列車は途中駅も時刻通りに発車し、順調にオスロを目指す。日本ではほとんど味わえない客車列車での旅を満喫しつつ、今日はこのままオスロに着いたらホテルに荷物を置いて観光か、と思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。

姉さん、事件です。ストックホルムを出て約3時間。Kil駅に着いたところでおなかが空いたのでビストロカーに飯を調達にいった。ラザニアみたいなものをレジに持って行くと、レンジが使えないからそれは駄目と言われる。変なことを言うと思いながらもサンドイッチを買って帰ると車内放送が入る。「機関車のエンジン故障により立ち往生している。発車時間は未定」と。よく見るとエアコンは止まり、照明も半分以上消えている。だからレンジが使えなかったのかと納得するが、それどころではない。

電気機関車なのにエンジンとはどういうことだ?モータのことだと思うが、古い整流子モータなんかいつまでも使うからこんなことになるんだ。それとも整流子モータを交流で回しているのが悪いのか?「俺に見せろ」と運転士に言おうかと思ったが、どうせブラシが焼き付いたとかだろうし、そんなもの見て直せるわけもないのでやめた。

車内にいても暑いだけなのでホームに出て写真を撮りまくる。
SJ-InterCity近郊電車

外をうろうろしていたら車内放送が入っていたっぽいので、戻って近くの席の人に聞いたらバスで振替輸送することになったとか。国境付近という中途半端なところに未乗区間が発生したorzorzorzorzorz

民族大移動民族大移動。みんな駅前に出てバスを待つ。なんか阪○交通社の人がいた。ツアーっぽい。必死で電話してたけど、この調子だとオスロでの予定はパーなんだろうな。



時刻表を見ると、次の列車を待てばオスロに19時前には着けるが、さすがにバスの方が早いだろう。とか思っていたらバスが来たので乗車。InterCityの中で近くの席に放浪の旅をしている日本人のおっさんがいたので、一緒にバスに乗ってつらつらと話をしながらバスに揺られる。オスロまでは約3時間。列車でもkilからだと3時間ほどの予定だったから、所要時間はそれほど変わらなかった。しかしバスが来るまでに時間がかかったため、オスロには予定の2時間遅れで到着。観光の時間が一気に減ってしまった。

4日目(2)〜オスロ観光

オスロ到着後、宿を探すというおっさんと分かれて駅前のホテルにチェックイン。荷物だけ部屋に放り込んで、すぐさま街に繰り出す。オスロの街は日が出ていないこともあってか予想以上に涼しく、雨もぱらぱらしていたが、この程度でひるむわけにはいかない。もう17時になり、どこにも入れないだろうが街を見るだけ見て回る。

ノルゲバンクまずはノルウェーの中央銀行であるノルゲバンク。相変わらずどこから人が出入りしているのか分からない建物だ。日銀とかFRBとかECBとかRBNZとかは入り口もわかりやすかったが、北欧の中銀は関係者以外絶対立ち入り禁止ということだろうか。

王宮続いて王宮。どうせ中には入れないが近くまで行ってみようと思ったら、足場が土から石に変わるところでライフル?を持った衛兵に「それ以上進むな」と言われたので(銃口は向けられていない)、おとなしく引き下がる。

オスロの街並み王宮から見たオスロの街並み。この道をまっすぐ行くと、駅前に出る。そのままぶらぶらと国立劇場や国会議事堂を横目に見ながら駅に戻る。



オスロ中央駅オスロ中央駅は近代的なごく普通の駅舎だ。駅に入り、NSB(ノルウェー国鉄)のHPでBergenに向かう列車がオスロ近郊で運休するようなことを書いていたのでそれを駅員に確認すると、「明日朝の列車は予定通り運行する。12番線から発車だ」と教えてくれた。チケット売り場のところにも「一部区間運休」みたいなことを書いていたが、文章をよく読んでみると、オスロ西部の近郊区間の駅までがバス振替になるというふうにも読める。その区間だけ迂回運転するということだろうか。よう分からんが、ちゃんと走ってくれるのならそれに越したことはない。

明日も朝早いし、さっさと寝るか。

2010年07月20日

5日目(1)〜西へ

6時起床で朝食バイキングを食べてチェックアウト。今日はフィヨルド観光をかねてBergen(ベルゲン)まで行って、そのまま夜行列車で帰ってくる。なので荷物を持っていっても重いだけなので、ホテルで明日の朝まで預かってもらう。

Signatur@Oslo駅に行くと、今日乗る列車はすでに入線済み。今日乗る列車はNSB(ノルウェー国鉄)が誇る73型Signatur(シグナチュール?)という列車。最高速度は200km/hで、車体傾斜機構も備えている。車体はADtranz製、台車はBombardier製となっているが、確かADtranzってボンバルディアに買収されたんだっけ?

Signatur車内NSBの列車には基本的に1等車はなく、代わりにNSB Komfort(スペルミスではない)というクラスがある。こちらは二等車と同じ2+2列の4列シートだが、座席指定ができる、コーヒー、紅茶が飲み放題、コンセント付き、新聞読み放題(ノルウェー語のみ)というのが売りのようだ。椅子は二等車とそんなに変わらないような気がするし、シートピッチも以下同。90krの追加料金で乗れるから、指定券代わりみたいなものだろうか。さて指定された座席は悲しいことに後ろ向きの上、視界の半分くらいが壁になっていたorzorzorz

そんなわけでちょっとブルーな俺を乗せた列車は、定刻の8時11分に発車。やはりOslo(オスロ)-Honefos(ホーネフォス)間は迂回運転をするようで、本来とは違うルートを走行する。迂回ルートはかなりのローカル線で、スピードも全然出せず普通列車の対向待ちも行う。それでも地図上では本来のルートよりも距離は短く、Honefos時点でも遅れはなかった。列車は右へ曲がり左へ曲がり山を登っていく。200km/hの最高速度を披露することもなく、西へ西へと進んでいく。

後ろ向きの上外も満足に見えないせいか、車傾のせいか、なんか微妙に気持ち悪くなってきたようなそうでないような。同じ車傾でもX2000は乗り心地良かったが、こいつはなんか微妙。振動も少なく乗り心地自体はいいんだが、なんというか車体が傾く際に極低周波で腹の底をかき回される感じというのか、乗り心地は悪くないけど酔いそうな感じ。まあ実際に酔っているわけでもないので、そんなに問題はないが。それよりも車傾が働く度にアクチュエータの動作音が車内に鳴り響くのが五月蠅くてかなわん。車端部の部屋は特に音は聞こえなかったので、車両中央部だけ鳴り響いているのか?迷惑な話だ。

Finse駅12時くらいになってお腹が空いたので、ビストロカーでホットドッグを買って昼食にすると、途中駅のFinse(フィンセ)に到着。このベルゲン線での最高高度で、海抜1222らしい。Finseを出ると次はMyrdal(ミルダール)。


MyrdalというわけでMyrdal。発車していくSignaturを見送ると、大きなインバータ音を立てて走り出すが、車内じゃあの音がほとんど聞こえなかった。こちらの車両は壁が厚いのか、車内までなかなか音が届かない。

MyrdalからはFlam(フロム)鉄道に乗り換え。乗り場は到着したホームの向かい側と降りる前に案内があったが、チケット売り場がどこにも見あたらない。駅の売店の人に聞いてみたら、車内で買えと言われたのでそうする。

雨の降る中列車を待つと、発車直前になってFlamから来た列車が到着。Flamからの乗客が降りきると、Myrdalから乗る客がドアに殺到する。俺もがんばって乗客が殺到するドアに向かって突撃し、何とか進行方向左側の窓側席を確保した。しかも最初は後ろ向きの席しか取れなかったが、向かいに座っていた人が俺の隣にいる相方の隣に座りたいらしく、席を変わってくれた。あとは発車を待つだけ。

時間が来ると列車は動き出す。渓谷をゆっくりと下っていく。

ヒョースの滝途中のヒョースの滝。撮影のために5分停車。さっき席を替わった人が車内に残るみたいだったので、荷物を見ててくれと頼んで外まで見に行ってきた。なんか変な音楽が聞こえてくると思ったら、滝の中腹あたりで女の人?が踊っていた。しかも2人いるのか、右に引っ込んだと思ったら、すぐ左に現れたりする。なんか妖精らしいがよう分からん。

そんなこんなで景色を見ながら、Flamまで約1時間。車窓は確かに絶景で、一見の価値はあった。

フロム鉄道車内Flamに着いたところで、乗客がみんな降りるのを待って車内撮影。座席は横5列。NSBのローカルでも5列シート車があったので、ノルウェーの車両は車両限界が大きいようだ。


フロム鉄道Flam鉄道は機関車2台によるプッシュプル方式で、間に客車が挟まれている。Flam鉄道は最大勾配55‰で、プッシュプルによる運転で最高速度が40km/hらしい。


さて、ここからはフェリーに乗ってフィヨルドクルーズだ。

5日目(2)〜フィヨルド

フェリーFlam駅の周りをぶらぶらして、Gudvangen(グドヴァンゲン)までのフェリーチケットを購入し、フェリーに乗り込む。フェリーはそれほど大きくなく、立ち客も出ている。発車直前までふらふらしていた俺は立ち組。あいにくの雨で甲板に出ていると濡れるが、それでもなんとか屋根のある場所は確保できた。

というわけでフィヨルドクルージング。船はFlamからGudvangenまで、ノルウェー最大で世界でも2番目の大きさのソグネフィヨルドの中を進んでいく。Gudvangenまで約2時間の船旅だ。

フィヨルド1フィヨルド2
港を出ると、船はフィヨルドの中を進んでいく。両側に崖がそびえ立つ景色がGudvangenまで続く。雨のせいか下の方まで雲が降りてきており、視界はかなり悪かったが、逆にそれがいい感じを出してたりする。

約2時間の船旅を終え、Gudvangen着。さすがに2時間立ちっぱなしは疲れた。ここでバスに乗り換え。船着き場の前に多数のバスが並んでいる。行き先も色々だ。目的地であるVoss(ヴォス)行きのバスを探す。Voss行きは何台かあったが、なんとか2台目に乗れた。運ちゃんがノルウェー語と英語で案内放送をして、あとはVossに着くのを待つだけか、と思いきや。

バス車窓1バス車窓2
途中にあるスタルハイムホテルの横を抜けると、いきなり狭い道に入る。車一台がようやく通れる幅の道で、18°の下り勾配が続き、しかもヘアピンカーブの連続。なんでバスがこんなところを通るんだwwwwwと思ったが、ここを下る途中の車窓は絶景で、これを見せたかったようだ。

Vossこの酷い道を下まで下ると、本来の道に戻ると言って広い道に出て、一路Vossを目指す。Gudvangenから約1時間でVoss駅到着。写真右側の建物がVoss駅。



次のBergen(ベルゲン)行きの電車までまだ1時間くらいあるので、駅の中にある食堂で夕食を摂る。今日の夕食はビーフハンバーグステーキらしきもの(ノルウェー語が分からないので聞いたらそんな風なことを言っていた)。薄っぺらいハンバーグだが、味はまあまあ。ソースが美味かった。

ローカル電車19時20分。Bergen行きの電車でBergenに向かう。この電車はBergen近郊を走っているただのローカル線。車内は横5列。前後間隔は223系くらいのものだ。



Vossからは1時間と少しでBergenに到着。今20時半過ぎだが、折り返しの夜行列車は22時58分発。まだ明るいし時間もあるのでBergenの街を見て回ることにする。

ブリッゲンとりあえずお約束のブリッゲン。確かに傾いているというか、ゆがんでいるというか。裏に回ったり、中を見たりしたが、日本なら地震のたびに全家屋が倒壊しそう。



ケーブルカー続いてケーブルカー。なかなか近代的なデザインだ。往復チケットを買って山上まで乗車。途中3駅あるが、駅-駅-駅-駅-○-駅という配置になっているため、○の部分では相方が駅に停まるために何もないところで停められる。こんなパターンは初めて見た。

山頂から街を見下ろす山上からBergenの街を見下ろす・・・いや、見下ろしているつもりが何も見えない。雨が降るとこんなものなのだろうか。山上駅にある土産物屋を物色してから、下りのケーブルカーに乗る(この時間は30分間隔)。帰りは一番前の席が取れたのでずっと下を見ていたが、かなり下の方まで降りてこないと街が見えてこなかった。22時を過ぎてわずかばかり薄暗くなってきているのも影響しているのかもしれないが。

NSB(ノルウェー国鉄)のHPによると、夜行列車は22時から食堂車でチェックイン開始らしいので、ぼちぼちと駅に戻る。

5日目(3)〜NSB SOVE

ベルゲン駅夜のBergen駅。というわけでBergen駅に戻った。さすがに22時半くらいになると、大分暗くなってきた。




夜行列車これから乗車する夜行列車はすでに入線済み。機関車は新しい。SJの機関車のようなボロではないし、音的にインバータによる誘導機駆動なので、きっと立ち往生とかはしないだろう。


食堂車看板NSB(ノルウェー国鉄)のHPによると、22時から食堂車でチェックインできるらしいので、とりあえず食堂車に向かう。食堂車はこの看板が目印。NSB SOVEとは、NSBの寝台車のことらしい。食堂車には車掌がいて、チケットを見せると部屋の鍵をもらえた。鍵は機械式のカードキー(穴が空いているやつ)で、キーを指している間しか外からはドアノブが回らない。

夜行列車個室個室の中に入ると2段ベッドがあり、水道とハンドソープ、二人分のミネラルウォーター、耳栓、フェイスタオルが置いてあった。ハンガーも二人分あったが、大きい上壁に固定されているでTシャツ等首回りの狭いやつはかけられなかった。コンセントは壁の上の方に一個だけ。まあ朝まですぐだし、たこ足持ってきているから問題はない。窓は下段に小さな窓があるのみ。開閉できないが、非常時には窓全体が開いてそこから脱出するようだ。各個室にちゃんと出口を2ヶ所用意しているとはリスクアセスメントがよくできている。車内の広さは、日本のツイン個室と同じくらいかな。

発車まで時間があるので、外に出て写真を撮る。さすがにこの時間になると暗くなってきた。

NSB SOVE列車は機関車の後ろ2両が寝台車であるNSB SOVEで、その次は食堂車、その後ろに座席車が連なっている。寝台車両は断面が八角形の面白い形をしている。



ベルゲン駅構内Bergen駅構内。左端がこれから乗るOslo行き夜行列車。その右側がOsloから到着したSignatur。




NSB SOVE通路車内は片側に廊下があって扉が並ぶ、オーソドックスな構成だ。車体幅が広いせいか廊下も広く、日本の寝台車のように人とすれ違うのに苦労することはないが、乗るときはみんな荷物を持っているので、結局すれ違うのに苦労しているがwww

食堂車食堂車。一応フランクフルトを焼いていたみたいなので、営業はしているのかな?どうでもいいが、NSBの食堂車のホットドッグは結構いけた。



部屋に戻ってごろごろしていると、時間が来て列車が動き出した。オスロには明朝6時26分の到着予定。約7時間半の旅になる。睡眠時間も限られているので、歯を磨いてとっとと床につく。乗り心地はまあ悪くはなく、一日動き回って疲れているし、朝までよく寝られそうだ。

2010年07月21日

6日目(1)〜The Rauma Railway

午前6時前。目覚ましが鳴る直前に車内放送が入る。「まもなくオスロ中央駅に到着する。予定より約20分早く到着する」。ちょwwwww寝させろwwwwwww夜行バスみたいなことするなwwwwww

さらに放送は続き、「鍵は部屋のキーホルダーに入れたまま、ドアは開けたままで降りろ」と。寝ぼけてる人間に英語で難しいこと言うなwwwww

というわけで、早朝からたたき起こされた挙げ句、予定より20分早くOsloに到着。次の列車は8時7分のTrondheim(トロンハイム)行きなので、かなり時間がある。とりあえず駅の売店でホットドッグを買って朝食を摂ってから、昨日のホテルに戻って荷物を受け取り、再度駅に戻る。こんな早朝にやることもないので、駅のベンチで持ってきていた本を読みながら時間をつぶす。時間が来たのでホームに降りると、すでにTrondheim行きの列車が入っていた。

Signatur@Oslo2今日乗る列車は昨日乗ったのと同じclass 73 Signatur。というか昨日乗った列車の向かいのホームからの発車なので、昨日すでに見ていた。座席は今日もNSB Komfortだが、運良く前向きかつ外がよく見える席だった。今日はまずこの列車でDombas(ドンボス)を目指す。

発車前には隣のホームにBergen行きが入線する。今日もかなりの乗客がいるようだ。方やこの列車はそれほど混雑することもなく、空席も多い。時間が来て発車すると、Oslo空港まではかなりのスピードで飛ばし、最高速度200km/hの実力を発揮したようだ。しかしOslo空港を出ると単線区間に入り、最初のうちはがんばっていたが次第に山岳地帯に入っていき、速度はみるみる落ちていく。こうなると日本の381系あたりと大差ないな。

リレハンメルLillehammer(リレハンメル)。昔冬季オリンピックが開かれたところだ。今となってはただの田舎町のようだ。




Dombas(ドンボス)着は12時7分の予定なので、少し早めに食堂車に行って昼食を済ませようとするも、乗務員が「俺は次の駅で降りるから、次の駅を出てから買いに来てくれ」と言って店じまいされた。仕方ないので次の駅に着くのを待ってから食堂車に行き、新しい乗務員から昼飯を購入。

meatballせっかくノルウェーに来たのでミートボールを注文。ジャガイモとMashed pea(つぶしたグリーンピース?)が付いていた。調理法は電子レンジだが、個別に暖めてグリーンピースはその場で潰すなど、チンするだけではなく、一応調理はしていた。味はまあまあ悪くはない。

時間がないので急いで食っていると、車内放送が入り「まもなくDombas」と言う。まだ少し時間があるのにまたしても早着かと、慌てて残りをかき込んで席に戻ると、放送の最後に「後5分で到着」とか言う。そういうことは先に言えorzorzorzorz

ドンボスというわけでDombas。なぜか駅停車時に海抜mかが表示されるSignaturの車内電光掲示板によると、Dombasは海抜660mらしい。右側が乗ってきたSignaturで、左側がこれから乗るClass 93。ボンバルディア製のローカル線向け気動車。


乗り換え時間も短いので、数枚写真を撮っただけで乗り込む。車内は観光客が多く混雑している。指定を取っていて良かった。座席は進行方向左側。海抜660mのDombasから海岸沿いにある終点のAndalsnes(オンダルスネス)まで114kmの道のりを約1時間半かけて下る。車内では車掌がThe Rauma Railway(ラウマ鉄道)のパンフレットをくばり、観光案内の自動放送も、ノルウェー語、英語、ドイツ語の3カ国語で行われる。また夏季限定で景色の見所では速度を落として運転してくれるらしい。

ラウマ鉄道車窓1ラウマ鉄道車窓2
全般的に景色がかなり良かったが、途中急勾配を下るところでヘアピンカーブのように迂回して急曲線を回ったり(ループ線のようなもの)、高さ59m、長さ76mの石橋を渡ったりと見所も多かった。石橋は目ではよく見えたが、線路脇の木が邪魔をしてとても写真には納められなかった。

class 93@Andalsnes約1時間半の旅を終え、Andalsnes(オンダルスネス)に到着。折返しまで2時間半あるので、街をぶらつくなどして時間を潰したいが、雨が降っている。とりあえずコインロッカーに荷物を預けて、駅周辺をぶらついて時間を潰す。

6日目(2)〜北極圏を目指して

駅周辺をウロウロして、土産物屋を除いたり、カフェでお茶したりして時間を潰してAndalsnes(オンダルスネス)駅まで戻る。

class 93車内すでに列車は入線していたので乗車。他に客はまだ乗っていなかったので、さっきは人が多くて満足に撮れなかった写真を撮る。車内は横4列のクロスシートだが、椅子はちゃんとリクライニングした。車内販売はないが、コーヒー、紅茶や軽食の自動販売機があった。

発車時間が近づくと人が増え、16時16分に来たときと変わらないくらいの人を乗せて出発した。席は往路とは逆側だったので、往復して両方の景色を楽しめた。全般的には、Dombas⇒Andalsnesで左側の席に座った方が景色はよく見えたけど。

復路も英語の観光案内放送を聞きながらDombasまで1時間40分かけて登っていった。

ドンボス駅裏Dombasでは30分くらい乗り換え時間があるので、駅の周りをぐるっと回った。といっても駅の回りには何もないので、文字通り駅舎の回りを一周しただけだが。駅はちょっとした高台のようになっていて、駅の裏側(というか正面側か)は写真のような感じ。

トロンハイム行きそんなことをしていたら時間になって、Trondheim(トロンハイム)行きの列車が到着した。今度は朝乗ったSignaturではなく、客車列車。これにももちろんNSB Komfortはついていて、最後尾の後ろ半分がNSB Komfortだった。

NSB KomfortNSB Komfortは5列だけの座席だが、半分も埋まっていなかった。しかし据え置き型のテーブルが置かれているためか、シートピッチはSingaturより広く快適だ。写真はTrondheim到着後に撮影したもの。

列車はほぼ18時24分の定刻通りDombasを発車する。Trondheimまで約2時間半の旅だ。

車窓列車は順調に北に向けて走る。高度が高いためか、木の少ない高原のようなところが多い。相変わらず雨が降り続いているようだ。



この客車列車は当然車体傾斜装置などついていないが、Signaturより乗り心地がいい。Signaturは車傾が悪さしているような気がしてならない。長時間乗るならこっちの方がいいな。

しばらくすると腹も減ってきたので、食堂車に行く。今日はピザとサラダ。ピザは冷凍物のようだが、ちゃんとオーブンで焼いてくれるようで、7,8分待てと言われる。サラダと飲み物だけ先にくれたので、空いている席に座ってサラダを食べ始める。カブ?とチキンの入ったサラダだ。チーズ風味のドレッシング付きで、味は悪くない。しばらくすると店員がピザを持ってきてくれた。写真は撮っていないが、思ったより大きく食べ応えがあった。

腹ごしらえをして席に戻ると、あとはTrondheimまでのんびりと過ごす。NSBコンフォートはコーヒーと紅茶が飲み放題だが、もう夜だしコーヒーとかよりはお茶が飲みたいなと思い、鞄の中から抹茶入り玄米茶のティーバッグを取り出して紙コップに入れ、紅茶用のお湯を注ぐ。やっぱり食後はお茶だね。

座席に身を預け流れゆく車窓を眺めていると、21時、ほぼ定刻通りに終着駅Trondheim中央駅に到着。

入れ替え機関車ホームに降りて写真を撮っていたら、車両入替用のディーゼル機関車が入ってきて、今乗ってきた列車の後ろの何両かを持っていった。ちなみにこの機関車、2軸しかないがそれでもちゃんと重たい客車を引っ張って行っていた。まあ高加速度が必要ないから2軸でも問題ないんだろうな。

トロンハイム中央駅というわけでTrondheim中央駅。平屋建ての駅だが、中は結構広い。





ここから北極圏にあるBodo(ボード−)行きの夜行列車に乗る。列車の発車時刻は23時35分なので、まだ2時間以上ある。車両自体はすでに入線していたが、チェックイン開始が22時からなので、まだ部屋には入れないだろう。部屋に入れたら荷物だけ置いてブラブラできるんだが、仕方ない。外はあまり見るものなさそうだし、雨も降っているので駅の周りだけ回って中のベンチで写真整理しながら時間を潰す。

看板時間になったのでホームに上がって、食堂車を探してチェックインする。今日もこの看板が目印です。




食堂車でカードキーを受け取って、昨日と同じNSB SOVEの個室に入る。今度は寝台車は後ろ2両で、前の方にある食堂車からはちょっと遠かった。機関車がまだ連結されていないため、車内は薄暗かったが、NSB SOVEだけは照明はちゃんと付いていた。トイレは使用禁止だったが。機関車が連結されていない間は、線路脇にある電源から車両に電気を取っていたみたいだが、あまりパワーは出せないのかな?

機関車しばらくすると機関車がやってきた。この先は非電化のようで、ディーゼル機関車だ。連結装置は真ん中にある鉄のシャフトだけのようだ。真ん中から垂れているシャフトの先にある輪っかを、客車側についているフック(機関車側についているのと同じ)に引っかけるだけだ。こういう方式があるのは知っていたが、これだけでよく1両40t以上の客車を10両近く牽引できるなと感心する。緩んだら外れるんじゃないかと思ったが、バッファがあるから車両間隔は縮まらないのかな。

ボード−行き夜行NSB SOVE
写真左は、Bodo行き夜行列車(左)とOslo行き夜行列車(右)が並んだもの。写真右は昨日は機関車の後ろで分かりにくかった、八角形の断面を持つ特徴的な寝台車両。

発車案内23時35分、いよいよ北極圏に向かう列車が発車する。Trondheimもかなり高緯度にあるので、23時を過ぎてもまだ明るかったが、列車が発車する頃にはかなり暗くなっていた。それでもまだ完全には真っ暗になっていないあたり、さすが北欧といったところだろう。

明日の朝にはいよいよ北極圏に入る。しばらく夜景を眺めていたが、明日に備えて0時過ぎくらいに寝ることにした。明日が楽しみだ。

2010年07月22日

7日目(1)〜そしてNarvikへ

6時半起床。起きると部屋の気温は16℃まで下がっていた。このまま起きるとさすがに寒いので、ヒーターをMaxにして、カーテンだけ開けてしばらく布団の中にこもる。外を見ると霧(雲?)の中を走っているようで視界は悪い。おまけに依然として雨は降り続いているようだ。

部屋が少し暖まるのを待って布団から這い出し、顔を洗って着替える。7時前に食堂車に行って、サンドイッチとコーヒー、ヨーグルトだけの簡単な朝食を摂る。

後方展望食堂車から部屋に戻りがてら、隣の車両(最後尾)の一番後ろまで行く。後ろがよく見えるので、しばらく車窓を楽しむ。霧というべきか雲というべきか、とにかくもやもやしたものに包まれていて、遠くまでは見えない。


駅を通過したので地図と照らし合わせると、すでに北極圏に入っているようだ。しばらく眺めていると、高度が下がってきたのかもやもやが薄くなり、視界が少し晴れてきた。少し動画を撮ってから部屋に戻る。

身支度をし、車窓を眺めていると、7時半くらいに車内放送が入り、食堂車で朝食を提供しているという案内が入る。それを聞いて食堂車に行く人がぞろぞろと移動していく。早めに行っておいてよかったかも。

8時を過ぎる頃には海の近くを走り出す。すでに海抜近くまで降りてきているようだ。8時20分頃に車内放送が入り、まもなFauske(ファウスケ)に到着することと、バスの乗り換え案内を告げる。

Fauske駅Fauskeにほぼ定刻で到着。Fauskeはバス連絡駅にもなっており、各方面行きのバスと連絡している。ここではさらに北に向かうNarvik(ナルヴィーク)行きのバスに乗り換える。


バス乗り場人の行列に続いて駅舎の横に回ると、そこはバスターミナルになっており、各方面行きのバスが列車の到着を待っていた。一応運転手に行き先を確認してからNarvik行きのバスに乗り込む。運良く運転席の後ろの席を取れた。発車時間が近づいたところで、運転手が料金収集に車内を回る。Eurail passを見せたら半額になるらしく、233krだった。

8時55分。時間が来るとバスは北に向けて走り出す。ここからはNarvikまで約5時間のバスの旅だ。Fauske駅を出ると、すぐに家なども見えなくなり、北極圏の原野の中を走る。バスの車内は、前後間隔がややゆったりした4列シートでトイレ付き。コーヒーのサービス(セルフ)もある。

Fauske発車後もこまめにバス停に停車していたが、1時間と少し走ったところでしばらく停車する旨の放送が入る。何だろうと思っていたら、反対方向からバスが来て、運転手が入れ替わった。バスごとじゃなくて、区間ごとに運転手が決まっているのか?運転手の交代が終わると、バスはすぐに発車する。

フェリーフィヨルドの地形を横目に、途中休憩を挟みながらも順調に走り続け、11時半頃船着き場に到着する。ここからはバスごとフェリーに乗るらしい。地球の歩き方を見ると、Narvikまで道路が通っているように見えるが、よく見ると1ヶ所だけ道路が途切れているところがある。ここを船で渡るようだ。航海時間は25分とのこと。その間は運転手も乗客も降りて船のキャビンに行く。ちょうどいい時間なので船の売店でホットドッグとコーヒーを買って昼食にする。

Bus on boatフェリーに乗ったバス。すぐに走り出せるように一番前を陣取っている。乗るときも割り込んで行っていたので、公共交通機関は優先搭乗できるのかもしれない。海(というか入り江かな?)は波もなく非常に穏やかで、フェリーはほとんど揺れなかった。

ホットドッグを食べて船に揺られていると、対岸が近づいてきたのでバスに戻る。バスのドアは手動扱いになっているだけなので、手で開けて中に入る。少しすると運転手も戻ってきて、船は着岸する。すると運転手はドアを閉め、おもむろに走り出す。乗客の確認していないようだけど、置いて行かれたりしないのかな。とか思っていたら、イタリアンマフィアみたいな格好した人が友達が帰ってきていないとか言って引き返すwwwww船のそばまで戻ると、同じくイタリアンマフィアみたいな格好した人が走ってきた。本当に置いて行かれる人がいるとはwwwwww

気を取り直して再度バスは走り出し、フィヨルドの中をNarviki目指して駆け抜ける。13時半近くなると街らしくなってきた。いよいよNarvikのようだ。

Narvikバスターミナル13時35分。定刻より5分遅れでNarvikのショッピングセンターAMFI内にあるバスターミナルに到着する。




ついに北の果てまでやってきた。ここにあるNarvik駅はヨーロッパ最北端の駅だ(世界最北端はロシアのムルマンスク?)。Narvikはノルウェーだが、鉄道はスウェーデンからしか乗り入れておらず、運行はSJ(スウェーデン国鉄)が行っている。明日はここからヨーロッパ最北端を走る列車に乗る予定だが、乗る列車はSJ InterCityで、先日の悪夢が蘇る。頼むから機関車故障だけはしないでくれよな・・・


7日目(2)〜Narvik観光

Narvik到着後、とりあえずホテルに向かおうとするも、ショッピングセンターからの出方が分からない。両側を線路で挟まれていて、太陽も見えないから方角が分からない。ショッピングセンター内の地図を見つけてホテルのある方角に歩くが、駐車場があるだけで外に出られる気配がない。ショッピングセンター内の案内はすべてノルウェー語なのでどっちに行けば何があるかが分からない。「出口」ぐらいならいい加減覚えたが、そういう記述も見あたらない。仕方ないので少し遠回りになるが、バスで入ってきた道を戻ってぐるっと回ることにした。ぐるっと回るとショッピングセンターを外から眺められたのでよく分かった。たぶん上の階に上がればどこかに出口があったのだろう。これは知らないと分からないな。

気を取り直してホテルまで歩き、チェックインする。

とりあえず荷物だけ置いて街をぶらぶらするが、小さな田舎町だけあってあまり見るものはない。

戦争博物館とりあえず戦争博物館。第二次世界大戦を中心に色々展示してあった。ノルウェーは第二次大戦中戦禍に見舞われており、Narvikも例外ではなかったようだ。世界史未履修の俺には詳しいことは分からんけど。

ファゲルネス山次はロープウェイで山に登って景色を眺めようとするも、山上は霧が深くとても街を一望できる雰囲気ではなかった。地球の歩き方によると、「標高656mの山頂からは街の全景とフィヨルド地形が一望できる」とあるが、霧しか見えない。ロープウェイの山頂駅からさらに道は続いていたが、写真のようにこれ以上進めば遭難フラグたちまくりなのでおとなしく引き返す。

ロープウェイちなみにロープウェイは3両1編成(別につながっていないが)で、4編成が運行されている。つまり2編成が駅構内に入ると、ほかの2編成はちょうど駅間の真ん中あたりでほぼ停止状態まで減速する。このロープウェイは運行距離が長く、高頻度運転を維持するためにこのような運行形態をとっているのだろうが、途中で止まるとかなり違和感があるなあ。しかも今日はこの天候なので、俺以外客なんていなさそうなのに、運行しなければならないのか。


ほかにはオフォーテン博物館というのがNarvikの鉄道の歴史を展示しているらしいので見てみたかったが、開館時間が15時まででショッピングセンター内で迷子になったせいで博物館に着く頃にちょうど時間切れになりそうだったので諦めた。

Narvik駅とりあえず明日駅まで行くルートと所要時間を確認してからホテルに戻ることにする。駅はこじんまりとした建物で、この時間には窓口はすでに閉まっていたが、SJの自動券売機は稼働していた。


ホテルからの眺めホテルに戻って一服。写真はホテルの部屋からの眺め。霧が山を覆っているが、晴れていたら眺めは良さそう。ここのところずっと雨みたいだし、夏は雨が多いのかな。

やることもないので晩飯食って、とっとと休もうと思ったが、飯を食うところがない。マックもバーガーキングも見あたらず、ホテルのレストランはべらぼうに高い。仕方ないので外に出て適当なイタリアン料理店に入ったが、ここも高かった。パスタ+パン+サラダで2000円とかorzorzorzorzまあマックのセットが1000円する国だから仕方ないのかもしれないが。

とりあえず本当に一晩中明るいのか確かめたいが、夜行列車2連泊ですでに眠すぎる。そもそもTrondheimあたりでも11時くらいまで明るかったから、もはや白夜でもそうでなくても大差ないな

2010年07月23日

8日目〜北極圏を往く列車

今日は時間に余裕があるので、8時前まで寝て睡眠補充。外を見ると、幸い雨はやんでいるようだ。山の霧もかなり薄れ、昨日行ったロープウェーの山頂駅もよく見える。昨夜は結局12時を過ぎても外は明るかったが、若干は薄暗くなっていた気がする。太陽が出ていなかったので実際に沈んだかどうか分からないが、夏至から一ヶ月くらい経つし、そろそろ白夜も終わりなのかもしれない。

ホテルで朝食を摂って出発準備をする。北欧に来てからコーヒーがまずいなと思っていたが、朝食に出ていたコーヒーがOrganic coffeeになっていたので飲んでみたら美味しかった。有機栽培にこだわるのは日本人だけではなかったのか。

9時半頃チェックアウトし、駅に向かう。雨は降っていないが、気温は昨日よりも低い気がする。久々に真冬のような寒さを味わう。

枕木運搬車ホテルを出て数分。駅に向かう坂道を下りていくと、駅から枕木を積んだ列車が出てきた。慌ててカメラを取り出して、金網の隙間から撮影。微妙に遅れて下の方が切れてしまったが、なんとかレアなものを撮れた。

Narvik駅というわけでNarvik駅。昨日も来たが、雨が降っていないので再度写真を撮っておく。1番線?の反対側にもホームらしきものはあるが、使っているかは不明。



SJ InterCityしばらく駅舎で待っていると、今日乗る列車が入線した。先日StockholmからOsloまで(というか途中まで)乗ったのと同じSJ InterCityだ。今日は先日とは違い2等車のみの4両編成。


SJ InterCity機関車列車を牽引する電気機関車。先日のInterCityと同じような顔をしているが、今度は故障しないでくれよ・・・。ちなみに左に移っているのは、ホームに置いてあったSLっぽいもの。



写真を一通り撮って車内に入る。指定された席は51号車。列車は一番前が54号車、一番後ろが51号車となっているので最後尾だ。席は前向きで窓もよく見える席だった。

SJ InterCity車内車内は4列シートの普通車だが、座席はかなり新しく、X2000などと同じタイプの座席だ。これはまたリクライニングしないのかと思っていたら、一部の座席は明らかに傾いている。椅子の周りを念入りに調べると、足下(座席の下)にレバーがあった。ひょっとしてX2000も同じ方式だったのだろうか。一応座席の下も調べたが、何かが動きそうな気配はなかったけどなあ。単に堅くなっていただけなのかな?

10時26分。定刻通り列車は発車した。乗車率は50%もいかないくらいだが、どこかのツアー客が乗っているようだ。ガイドのおばさんが英語で説明しているので俺も聞けて助かるwwwww

列車はNarvikを出るとフィヨルド沿いに山を登っていく。俺の席は右側だったが、左側の方が景色がよく見えるらしい。車内は空いていたので左側に移って流れゆくフィヨルドの景色を眺める。

虹Narviを出て少しすると晴れてきて、後ろの方を見ると虹が出ていた。写真だとわかりにくいが、結構大きい虹だった。フィヨルドにかかる虹とは貴重なものが見られた。


しばらくフィヨルドを眺めながら時折写真を撮っていたが、窓越しだとカメラとか手がガラスに反射するので鬱陶しいなと思っていたら、先ほどのガイドのおばさんが窓を開ければいいと言って回っていたので、俺もそれに倣う。おばちゃんGJwww

車窓1車窓2
しばらくはこんな感じの景色が続く。所々集落もあった。こんなところにも人が住んでいるようだ。

景色を眺めていると、ガイドのおばちゃんがもうすぐ国境を越えると教えてくれる(俺に教えてくれた訳ではないが)。外を見ているとトンネル?に入り、トンネルの途中でノルウェー国旗がいくつか現れ、それがスウェーデン国旗に変わった。国境を越えたようだ。7月19日以来、約3日ぶりのスウェーデンだ。

Riksgransen駅Riksgransen駅周辺
国境のあったトンネルを抜けると、列車はRiksgransen駅に到着。おばちゃん率いるツアーはここで降りるようだ。もうガイドが聞けなくなるのか、残念w写真左は列車後方を撮ったもの、このトンネルの中に国境があった。写真右は駅周辺。

車窓3車窓4
車窓5車窓6
列車は北極圏の大自然の中を南東に向けひた走る。幸い昨日までとは打って変わって天気も良く、水面が太陽光によく映える。途中何度も鉄鉱石を積んだ貨物と行き違うが、ここは今でもNarvikまでの貨物輸送がメインのようで、待たされるのはいつもこちら側だ。

途中でお腹が空いたので、車内の売店でピザとコーヒーを購入。なんとなくノルウェーより物価が安い気がした。

Kiruna駅13時30分頃、Kiruna(キールナ)駅に到着。ここではほとんどの客が降り、乗客が入れ替わる。乗車率は上がり、客も観光客だけでなく地元客も増えているようだ。停車時間が少しあるのでホームに降りてみると、日差しが強いのもあって、気温が幾分上がっていた。

ここから先はそれほどおもしろい景色ではないが、それでも北極圏の大自然の中を走り続ける。正確にいつくらいかは分からないが、前後の駅と時間から判断するに、少なくとも16時くらいには北極圏を抜けていたはずだ。わずか2日ばかりの滞在だったが、貴重な経験をしてきた。さすがに北極圏を抜ける頃には気温もかなり上がっているようで、窓を開けても心地よい風が吹き込んでくる。

17時20分過ぎ、ほぼ定刻でLulea(ルーレオ)駅に到着。

Lulea駅ホームLulea駅前
写真左がLulea駅のホーム。2面2線?の小さな駅だ。駅前も典型的な欧米の田舎町という感じ。駅前(写真左)は木がたくさん植えられた公園のようになっている。写真右の奥にある黄色い建物が駅舎。

ホテルまで2,3分の距離を歩くが、本当にずいぶんと田舎まで来たものだと思うが、意外と店は多く、Narvikよりは都会かもしれない。

ホテルにチェックインしていったん荷物を部屋に置いてから、明日乗るバス乗り場の場所を確認して、晩飯の調達。街をぶらぶらして、マックもバーガーキングもないので、第3のハンバーガーショップにした。

さすがにスウェーデンもここまで田舎に来ると英語に不慣れなのか、店員の女の子に話しかけるとかなりきょどっていた。それでもちゃんと英語で対応してくれたのは偉い。そういえばこっちではtake outじゃ通じないらしく、隣の子と何のことだろうって感じで相談していた。take awayと言えば通じたので、北欧もクイーンズ・イングリッシュが基本なのか(コペンハーゲンとかでもそうだった気がする)。

結構ボリュームのあるハンバーガーとポテト、コーラのセットで63kr。やはりノルウェーよりは物価は安いようだ。味もマックより良かった。

さて、明日でいよいよ北欧の列車の旅も終わりだ。明日はバスでフィンランドに入り、そのまま列車でヘルシンキまで南下する予定。明日寝坊したら途中でEurail passが切れるばかりか、寝坊の度合いによっては最悪日本に帰れなくなるリスクがあるので、今日は早めに寝よう。

2010年07月24日

9日目(1)〜国境越え

7時前起床。今日は土曜につき、ホテルの朝食が8時からであることを昨日告げられていたので、昨日のうちに近所のスーパーでパンとオレンジジュースを購入していた。フロントでは24時間コーヒーの無料サービスがあるのでコーヒーを入れてきて朝食。けちってパンだけ買ったが、パサパサしてて不味い。バターかチーズでも買ってくれば良かった。

8時頃にチェックアウトして、徒歩2分ほどのところにあるLulea Bus Stationまで歩く。今日はここからバスを乗り継いでフィンランドに入る。まずは8時30分発の、国境の町Haparanda(ハパランダ)行きのバスに乗る。Eurail passを見せれば無料で乗れた。バスは2階建てバスだったので、2階の一番前の席をゲット。

Haparandaバスはこまめに止まりながらも、森の中を東へと進んでいく。Luleaから約2時間20分でHaparanda bus stationに到着。




ここからフィンランド国内のKemi(ケミ)やOulu(オウル)行きのバスが出ているはずだが、今日は土曜日。トーマスクックでも「こういうバスもあります」的にしか書かれていないし、フィンランド語のウェブサイトで確認しただけなので若干不安はある。バス停にはKemi方面に向かうバスの時刻表が複数表示されており、よく分からない。同じようにバスでフィンランドを目指していると思われる人が二人、俺と同じようにバス停の掲示を凝視しいてるので話しかける。三人であーだこーだ言いながら、これはフィンランド時間で書かれているので、まもなくバスは来るはずだいう結論に達する。

すると10分くらいしてKemi経由Oulu行きのバスが到着。ここでもEurail passの効力を発揮し、バスに乗り込む。バスはしばらくして発車する。Haparandaを出たらまもなくフィンランドに入るので、腕時計をフィンランド時間に合わせる。HaparandaとTornio(トルニオ)の間に国境があるはずだが、いつ通過したのか分からないままにフィンランド国内に入っていた。たぶん橋を渡ったときに国境を越えたと思われるが、国旗を掲示しているわけでもなく、よく分からなかった。

バスは先ほどと同じように森の中を突き進み、時折現れる町でバス停によりながらKemiを目指す。途中で左手に線路が見えてきた。時間的にもKemiは近いようで、きっとVR(フィンランド国鉄)の線路だろう。1524mmの広軌のはずだが、イマイチ標準機との違いが分からん。まあ1435mmと1524mmじゃ90mmも変わらんから、パッと見には分からんかもしれんが。

Kemiバスはしばらく線路沿いに走った後、Kemi bus stationに到着。トーマスクックによると、Bus stationからRail stationまでは200mほどらしいので、線路に向かって歩けばすぐに見つかるだろうと思い、歩き始める。バス停に着く直前に見た町の温度計では18℃あるらしく、日差しが強いため歩いていると暑い。日陰にいると風が冷たく肌寒いが、昨日まで気温一桁の北極圏にいた身としては、気候の変化についていくのが大変だ。

Kemi駅するとすぐに駅に到着。列車は14時10分なので、1時間ほどある。売店でもあれば昼食を摂りたいと思ったが、そんなものはなかった。土曜のためか、駅の窓口すら閉まっている。朝のパンが残っているが、不味いパンをこれ以上食べたくないので、列車に乗ってから何か買うことにする。

Kemi駅ホームKemi駅のホーム。一応3番線まであるが、2・3番線に行くにはホームの端まで行かないといけない。列車本数的には使う必要はなさそうだが・・・。



Rovaniemi(ロヴァニエミ)へ向かう列車を一本見送って、Ouluに向かう列車を待つ。

9日目(2)〜Pendlino

Express trainKemi(ケミ)で待つこと約1時間。14時過ぎにOulu(オウル)に向かう急行列車が到着。列車は機関車牽引の5両編成(2〜6号車)の客車列車。一等車はついておらず、横4列の二等車のみとなる。乗車した3号車は、高校生っぽい集団と、引率の教師っぽい人が乗っていた。遠足か何かだろうか?

Ouluまでは約1時間の旅なので、列車が動き出すと食堂車に行ってホットドッグとコーヒーで遅めの昼食を摂る。

列車は単線電化区間を南に向けて走るが、30分くらい走って、駅も何もないところで突然停車。反対側には線路があったみたいなので対向待ちかと思ったが、中々動かない。フィンランド語で何か放送が入ったが、英語では案内してくれなかったので何が起きたか分からない。最初から10分近く経っても動く気配がないので、車掌を捕まえて聞いてみると、対向待ちの列車が遅れているから10分ほど停車するということ。Ouluで18分の接続待ちでPendlino(ペンドリーノ)に乗り継ぐが大丈夫かと聞くと、10分遅れなら大丈夫だし、待っててくれるはずだと教えてくれた。

それからしばらくすると、反対方向の列車が通過していき、こちらの列車も動き出す。結局Ouluには8分くらいの遅れで到着。Helisinki(ヘルシンキ)行きペンドリーノは向かいのホームに止まっていたので、そのまま乗り換える。

PendlinoペンドリーノはVR(フィンランド国鉄)が誇る6両編成の電車で、最高速度は220km/h、車体傾斜装置を備えている。イタリア等で走っているのとほぼ同じ。運転席の横をよく見ると、高速走行する列車には珍しくサイドミラーが付いている。このまま走ると、走行抵抗や騒音が馬鹿にならないと思うが、走行中は折りたたむのだろうか?

ペンドリーノ車内一等車車内。1+2列の3列シート。座席の向きは固定だが、幸い前向きで窓もよく見える席だった。天井にはテレビが複数台付いているが、時間を表示しているだけで後は何も表示されなかった。一等車にはコーヒー、紅茶、水とクッキーのサービス(セルフ)がある。

ペンドリーノは定刻の15:37より若干遅れて、Oulu駅を発車する。ペンドリーノでこの度の最終目的地である首都ヘルシンキを目指す。これが今回最後の列車での旅だ。Oulu発車時点では一等車の乗客は俺一人だったので、コーヒーを飲みながらマッタリする。クッキーも意外と美味しかったのでついつい食べ過ぎてしまった。

車窓Ouluを出たペンドリーノは、のどかな田舎を南に向けて走る。このあたりは単線区間ということもあり、あまり速度は出さないようだ。それでも100km/h以上は出していると思うが。


このペンドリーノでは無線LANが使えるという話なので試してみると、確かに使えた。ただ携帯技術を使っているということで、かなり遅い上に走行中は頻繁に途切れる。まだ試行段階らしいので仕方ないかもしれないが、カナダのVIA鉄道はもうちょっとしっかりしていた。

Seinajoki駅Ouluから約3時間。Seinajoki(セイナヨキ)に到着。そこそこ大きな駅のようで、結構な数の乗客が入れ替わる。




Seinajokiを出たところで、夕食のために食堂車に行く。何かよく分からないが、Special!みたいなことが書いてあるメニューがあったので頼んでみたら、トマトとモッツァレラチーズ、サラミ、サラダ、パンが一枚の皿に載ったものだった。腹の足しになるかなと思ったが、モッツァレラチーズが美味しく、パンももちもちしていて美味しかった。

食事を終えて座席でマッタリとお茶を飲んでいると、Tampere(タンペレ)に到着。Tampereを出ると複線区間に入り、列車の速度もかなり上がったようだ。感覚的に200km/h以上出してそうだ。しかしここに来るまでに感じたことだが、この列車本当に傾いているのだろうか?ペンドリーノの傾斜角は8度だったと思うのだが、それほど傾いているようには感じない。見事な制御で違和感を感じさせないだけなのだろうか。窓の外を見ていても、X2000や日本の振子の方が傾いているように思える。もともとそれほどきついカーブもあまりなかったので、そこまで傾ける必要がないだけかもしれないが。

Pendlino@HelsinkiTampereを出ると、1時間ほどで市街地の中を走り始め、21時30分頃、ほぼ定刻にHelsinki中央駅に到着。このころには外はかなり薄暗くなっていた。さすがに北極圏とは違うようだ。


ヘルシンキ中央駅Helsinki中央駅。いかにも欧州風な作りの駅だ。駅自体も大きく、全体が映るように撮るのが困難だ。




駅を出て目の前にあるホテルに入る。フロントでチェックインすると、一通りの案内を聞いて、最後に紙を出してきて「朝食はこの時間」と書かれている場所を指してくれる。なんで数字を口で言わないのかと思ったが、よく見たら紙は日本語で書かれていた。ああ、日本人客が多いのか。そういえば今回の旅行でパスポートナンバーを聞かれたのはここが初めてだった。

部屋はバルコニー付きのいい部屋だった。到着時間が遅いので駅から一番近いところで選んだのだが、思いの外いいホテルだったようだ。

さてEurail passも今日で期限が切れ、列車の旅もこれで終わりだ。長い旅も明日で終わる。なんか日本は猛暑らしいので帰りたくなくないが、明日には帰らないといけない。飛行機は夕方なのでHelsinki市内を観光する余裕はある。行きたい場所もあるし、今日はこのまま寝て明日に備えよう。しかし夜暗くなるとなんか違和感を感じるなw

2010年07月25日

10日目〜ヘルシンキ観光

今日が北欧旅行最終日。飛行機の出発は17時20分だ。それまでは時間があるので、Helsinki市内を観光する。

トラムホテルで朝食を摂って待ちに繰り出す。とりあえずトラムの運転士から市内交通の1day ticketを買って、そのままトラムで元老院広場まで移動。どこ製か知らないが、結構乗り心地が良かった。軌間はかなり狭いので狭軌かなと思って後で調べてみたら、1000mmと日本の在来線よりも若干狭かった。

元老院広場というわけで元老院広場。この横にある大聖堂でも見学して時間を潰してから、11時に開館するフィンランド銀行(フィンランドの中央銀行)のMuseumを見学しようと思っていたが、大聖堂はミサのため入れなかった。

地下鉄11時まで中途半端にやることがないので地下鉄に乗ってきた。軌間はかなり広く感じたが、やはり広軌のようだ。あとサードレール式だった。



地下鉄で3駅くらい往復してから元老院広場に戻り、フィンランド銀行を探し始める。

フィンランド銀行事前に調べた地図では大聖堂の裏あたりだったので、そのあたりを調べたら銀行自体はすぐ見つかった。しかし回りをぐるっと回っても博物館は見つからない。2,3周ぐるっと回り、回りの区画も調べたが見つからない。さすがに疲れてきたので、諦めてトラムに乗って帰り始めるとトラムの窓からMuseumという文字が目に入った。慌てて次の電停で降りて戻ると、あった。

フィンランド銀行博物館場所は大聖堂の裏ではなく、大聖堂と同じ区画で大聖堂に向かって右側にあった。早速中に入って見学する。フィンランド銀行は、現在では通貨統合により中央銀行機能の多くをECBに移しているが、通貨統合前はもちろん現在でも国内の金融安定のために果たしている役割は大きい。

貨幣の歴史はもちろん、特に近代の金融の歴史はかなり面白く、ついついパネルに見入ってしまう。このまま全部読んでいたら日が暮れそうだったので、パンフレットにパネルの文章は全部書かれていることを確認して、パンフレットにない展示物だけ全部見てから帰る。売店があったので帰り際に寄ってみると、色々とグッズを売っていた。ユーロのマークをかたどったマウスパッドが置いてあったのでこれを購入。1.5ユーロだった。家には日銀のマウスパットがあるから、会社で使おうかな。

博物館を出ると13時前になっていたので、駅に戻ってファーストフード店で昼食を軽く済ます。飛行機にはまだ微妙に時間があるので、デザイン博物館というのに行ってみたが、わざわざ行くほどのものではなかった。

再び駅まで戻り、ホテルで預けていた荷物を受け取ってから空港に向かう。駅前からフィンエアーバスを使うという手もあったが、折角なので空港最寄り駅のTikkurila(ティックリラ)まで電車で行くことにする。

通勤電車券売機でチケットを買おうと思ったが、フィンランド語しか表示されずわけが分からなかったので窓口で購入。親切に乗る列車まで教えてくれた。列車は2両編成の通勤電車。各駅停車タイプもあるみたいだが、この列車ならTikkurilaまで2駅で15,6分くらいだった。この電車車内にモニタがついており、そこでは停車駅と時間の他、走行時には車速が表示される(更新頻度は2秒くらい?)。それを見ていると最高で105km/hまで出していた。車体には160km/hと書いていたので、Helsinki近郊区間ではあまり速度を出さないだけかな。

Tikkurilaは小さな駅だが、駅前にはバスターミナルがある。空港のHPで61番のバスに乗ればいいことを確認していたので、乗り場を確認したら1番乗り場だった。61番のところには飛行機マークが付いているほか、乗り場にあるモニタでは日本語で「空港」と書いていた。

バス程なくしてバスが現れたので、運転手に空港に行くことを確認して乗車。駅から20分足らずくらいで空港に到着。7月16日以来約9日ぶりのHelsinki Vantaa(ヴァンター)空港。電車とバスで計6.5ユーロだったので、フィンエアーバスの方が若干安かったな。まあいいか。

昨日のうちにウェブチェックインして、ホテルでEチケットを印刷していたので荷物だけ預け、セキュリティチェックを通る。今回お土産は何も買っていないので、免税店で購入。いい時間になったのでゲートに向かおうとすると、パスポートコントロールがあった。欧州から出るときはノーチェックかと思っていたが、フィンランドではチェックされるようだ。しかもかなり行列ができていたので、ゲートに着いた時には本当にいい時間になっていて、搭乗が始まっていた。

そのまま飛行機に乗り込み、席に着く。往路同様隣の席は空席だったので少し楽だった。飛行機は時間が来て離陸する。これで10日間の旅行も終わり、北欧ともお別れだ。北へ、南へと移動したせいで気候の変化に対応するのが大変だったが、色々見れていい旅だった。機会があれば是非また来たい。しかし北欧(特にノルウェー)の物価の高さはなんとかして欲しいものだ。

2010年07月26日

11日目〜帰国

飛行機搭乗中に日付が変わったので、幻の11日目。家に帰るまでが海外旅行ということで、旅はまだ続く。

関空には約10分早く到着。往路でも思ったが、フィンエアーの操縦士は実は腕がいいんじゃないか?離着陸時の揺れや衝撃が少なく、かなり快適だった。天候にも左右されるのだろうけど、ちょうど1年前NZに行ったときのNZ航空は最悪だった。ボーイングとエアバスの機体性能差ではないよな・・・

入国審査をして荷物を受け取り、南海線乗り場に向かう。三ノ宮までバスで行こうかと思ったが、値段を優先して南海と阪神を乗り継ぐルートにする。

南海の空港急行で難波まで行き、阪神の快速急行で三宮。三宮から直通特急(須磨まで各駅停車)で須磨まで行き、各停に乗り換え。寮に着くまで2時間半くらいかかった。こんなことならバスにするんだったorz

というわけで帰宅。日本暑杉。飛行機から降りた瞬間Uターンしたくなった。明日からも暑いみたいだし、大変だ。明日から仕事だし、早めに寝ないと。

なにはともあれ、今回の旅はこれで本当に終了。今回の総括は、
・北欧は全般的にいい国
・鉄道の旅は良かった(特に北極圏)
・ノルウェー国鉄のホットドッグが美味しかった
・英語の通用度が極めて高く、何の不便もなかった
・物価高杉

機会があればまた行きたい。